中小企業退職金共済制度について

中小企業退職金共済制度は、中小企業者の相互扶助の精神に基づき、その拠出による退職金共済制度を確立することで、中小企業で働く従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与すること等を目的としている国が設けた退職金制度であり、国からの掛金助成措置もあります。

概要

目的

中小企業者の相互共済と国の援助で退職金制度を確立し、これによって中小企業の従業員の福祉の増進と、中小企業の振興に寄与することを目的としています。

しくみ

事業主が中退共と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。従業員が退職したときは、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます。

中退共制度の掛金は全額事業主が負担し、掛金の一部でも従業員に負担させることはできません。

制度の特色

掛金の負担軽減

新規加入時には従業員ごとに最高6万円を国から助成されます。(一部除外あり)
また、掛金月額を増額する事業主に、掛金の一部を国から助成されます。

税法上の特典

掛金は損金または必要経費として全額非課税とされます。
なお、資本金または出資金が1億円を超える法人の法人事業税には、外形標準課税が適用されます。

手続きが簡単かつ、きめ細やかなサービス

毎月の掛金は口座振替で納付でき、加入後の面倒な手続きや事務処理もなく従業員ごとの納付状況、退職金額を事業主にお知らせしますので、退職金の管理が簡単です。
上記以外にも、掛金の管理・運用が安全であること、中退共制度加入前の勤務期間の通算が最高10年の範囲で可能であることといったメリットがあります。

掛金月額の選択

掛金月額は、従業員ごとに16種類から選択できます。また、加入後いつでも増額できます。
(注)掛金月額を減額する場合は、一定の条件が必要です。

通算制度

一定の要件を満たす従業員については、掛金納付月数などの通算ができますので、退職金を受け取ることができます。

過去勤務期間や企業間を転職しても通算できます。
特定業種退職金共済制度や特定退職金共済制度と通算できます。

退職金は直接従業員へ

退職金は、勤労者退職金共済機構から直接、退職者の預金口座に振り込みますので、手間がかかりません。
退職金は退職者本人が退職時60歳以上であれば、一時金払いのほか、全部または一部を分割して受け取ることができます。
(注)事業主が従業員に代わって退職金を受け取ることはできません

退職金額

退職金は、基本退職金と付加退職金の2本建てで、両方を合計したものが、受け取る退職金になります。

退職金 = 基本退職金 + 付加退職金

退職金は、加入期間が11月以下の場合は支給されません。(通算制度または、他制度からの引継ぎを行っている場合は、11月以下でも支給される場合があります。)
加入期間が12月以上23月以下の場合は掛金納付総額を下回る額になります。これは長期加入者の退職金を手厚くするためです。
加入期間が24月以上42月以下では掛金相当額となり、43月からは運用利息と付加退職金が加算され、長期加入者ほど有利になります。

基本退職金

掛金月額と納付月数に応じて固定的に定められている金額で、制度全体として予定運用利回りを1.0%として定められた額です。なお、予定運用利回りは、法令の改正により変わることがあります。

付加退職金

付加退職金は、基本退職金に上積みするもので、運用収入の状況等に応じて定められる金額です。
具体的には、掛金納付月数の43月目とその後12か月ごとの基本退職金相当額に、厚生労働大臣が定めるその年の支給率を乗じて得た額を、退職時まで累計した総額です。

留意事項

加入できる企業には一定の条件があります。
また加入させる従業員は原則全員です。(例外規定あり)企業側が任意の従業員を加入させることはできません。

詳細:独立行政法人勤労者退職金共済機構

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