未登記の不動産を相続した場合~何をいつまでに?放置リスクと相続登記のポイント~
目次
はじめに 「名義がない家」を相続するケースが増えています
相続の相談で近年増えているのが、
- 古い家が未登記だった
- 増築部分だけ登記がない
- 相続登記を何十年も放置していた
というケースです。
特に地方では、
「先祖代々の家だから問題ない」と思われていた不動産が未登記であることも珍しくありません。
しかし現在は法改正により、相続登記が義務化され、放置リスクが大きくなっています。
未登記不動産とは?
未登記不動産とは、法務局で所有権保存登記や表示登記がされていない不動産をいいます。
よくある未登記の例
①古い住宅
昔は登記せずに建築されることもありました。
②増築部分
- 離れ
- 車庫
- 倉庫
など
増築後に登記変更をしていないケースがあります。
③相続登記未了
登記簿上の名義が、
- 祖父
- 曾祖父
のままになっているケースです。
未登記不動産を放置するとどうなる?
①売却できない
名義が整理されていないと売却が困難になります。
②相続人が増えて手続き困難
時間が経つほど、
- 相続人が増える
- 行方不明者が出る
など手続きが複雑化します。
③金融機関の融資が受けにくい
未登記不動産は担保評価が難しいためです。
④固定資産税トラブル
納税通知だけ届き、実際の所有関係が曖昧になるケースがあります。
2024年から相続登記が義務化
ここは非常に重要です。
相続登記義務化とは?
2024年4月から、不動産を相続したことを知った日から3年以内の登記申請が義務化されました。
違反すると?
正当理由なく放置すると、10万円以下の過料の可能性があります。
未登記不動産の場合はどうなる?
未登記不動産では、通常の相続登記よりも手続きが複雑になります。
必要になる主な手続き
①表題登記
まず、建物そのものを登記簿に登録する必要があります。
②所有権保存登記
誰の所有かを正式登録します。
③相続登記
その後、被相続人から相続人への名義変更を行います。
何を準備する?
主な必要書類
- 被相続人の戸籍
- 相続人全員の戸籍
- 固定資産税評価証明書
- 遺産分割協議書
- 住民票
未登記建物特有の資料
- 建築確認資料
- 固定資産税課税明細
- 古い契約書
など「その建物が誰のものか」を証明する資料が重要です。
遺産分割協議は必要?
原則必要
相続人が複数いる場合、誰が取得するかを決める必要があります。
協議がまとまらない場合
- 家庭裁判所調停
- 審判
へ進むこともあります。
相続放棄との関係
注意したいのが相続放棄です。
相続放棄期限
原則3か月以内。
未登記不動産にも注意
古い家には、
- 解体費用
- 固定資産税
- 管理責任
が発生します。
空き家問題との関係
近年では、未登記不動産=空き家問題につながるケースが増えています。
放置すると…
- 老朽化
- 倒壊リスク
- 近隣トラブル
など社会問題化しています。
専門家へ相談するメリット
未登記不動産は非常に複雑です。
関係する専門家
- 司法書士
- 土地家屋調査士
- 行政書士
- 税理士
など
特に重要
表題登記は土地家屋調査士の専門分野です。
よくある質問
Q:固定資産税を払っていれば所有者?
→ 税金支払いだけでは法的所有権の証明になりません
Q:古い建物でも登記できる?
→ 可能です
Q:相続人が多くてもできる?
→ 可能ですが手続きは複雑になります
未登記不動産で特に注意すべきケース
①相続が数世代放置
→ 権利関係が非常に複雑化
②共有名義
→ 売却・解体に全員同意が必要
③農地・山林
→ 別途届出が必要な場合あり
今後さらに重要になる理由
少子高齢化により、
- 空き家増加
- 所有者不明土地問題
が深刻化しています。
そのため、国は相続登記の厳格化を進めています。
まとめ 未登記不動産は「早めの整理」が重要
最後に重要なポイントを整理します。
- 未登記不動産は放置リスクが大きい
- 2024年から相続登記義務化
- 原則3年以内に手続き必要
- 表題登記→保存登記→相続登記の流れ
- 専門家活用が非常に重要
「昔からそのまま」は、今後大きなリスクになる可能性があります。

