「小山ロール」の人気洋菓子店 過労死ライン超えの残業で2度勧告

事 象

 ロールケーキ「小山ロール」で知られる洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」(兵庫県三田市)の運営会社(株式会社パティシエ エス コヤマ)が、労使協定で定めた上限(月100時間未満)を超える時間外労働を半数の社員らにさせたとして、伊丹労働基準監督署から労働基準法違反で2度(平成30年1月15日付と、令和3年1月14日付)にわたって是正勧告を受けていた。

 更に、2度目の是正勧告を受けた社内調査により明確となった従業員の時間外手当の支払い不足分について、支払いの対象となる従業員とは個別に面談をしながら遡って未払額を確定し、順次支払いを進めている。

 また、労基署には令和3年3月19日、労働環境の改善状況をまとめた是正報告書を提出したが、一部の社員の長時間労働が解消できておらず、新たな報告書を作成中であるとのこと。

問題点

同社によると問題点として下記が挙げられている。

  1. 長時間労働が常態化していたこと。
  2. 最初の是正勧告を受けた時の労務担当の社員が翌年に退職し、その内容が社内で共有されていなかったこと。
  3. 労働関係法令に対する認識が不足していたこと。

解決策

長時間労働が常態化しているということは、現状の労働時間が長時間になるかどうかの基準が認識されていないために起こるのが一因であると思われる。

担当社員の退職による情報の共有化は外部の専門家(社会保険労務士等)との情報の共有化を図り、担当社員の異動や退職による引継ぎの不備を補うことができていれば防げたことである。

また労働関係法令に対する認識不足は専門家でなければ仕方のない部分もあるが、専門家(社会保険労務士等)に気軽に相談できる状況になかったことが問題であろう。

よって私たちのような専門家である社会保険労務士と顧問契約を締結し情報の共有化を図ることができていれば防ぐことができたであろうと思われます。株式会社パティシエ エス コヤマのような事態になり社会的信用を失う前に、経営者の皆様は社会保険労務士と顧問契約を締結を今一度検討をして頂きたいと思います。

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