本章では、労働者の労働時間の上限、休憩や休日の付与、また年次有給休暇の取り扱いなど、労働者の働き方に関する基本的なルールが定められています。本章の目的は、労働者の健康と生活のバランスを守るために、過重労働を防止し、適切な休息や休暇を確保することです。特に、長時間労働や休みのない労働は、労働者の健康に悪影響を与えるため、こうした基準を定めています。
第三十二条 労働時間
第三十二条(労働時間)
① 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
- 「一週間」とは、就業規則その他に特段の定めがない限り、日曜日から土曜日までのいわゆる暦週をいう。
- 「一日」とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいう。
継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「一日」の労働とする。
注記
いわゆる手待ち時間は、出勤を命じられ一定の場所に拘束されている以上、労働時間となる。
第三十二条の二 一箇月単位の変形労働時間制
第三十二条の二
① 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
② 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
| 要 件 | 労使協定 又は 就業規則その他これに準ずるもの |
| 届 出 | 労使協定による場合は届出が必要 |
| 規定事項 | 1.変形期間(1箇月以内の一定期間) 2.変形期間の起算日 3.変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内で、各日、各週の労働時間を特定する 4.労使協定による場合は、有効期間の定め |
| 効 果 | 1.特定された週において週法定労働時間を超えて労働させることができる 2.特定された日において8時間を超えて労働させることができる(上限なし) |
| 時間外労働 | 1.1日については、8時間を超える時間を所定労働時間としている日は、その時間を超えて労働した時間、それ以外の日は、8時間を超えて労働した時間が割増賃金が必要な時間外労働になる。 2.1週間については、週法定労働時間超える時間を週所定労働時間としている週は、その時間を超えて労働した時間、それ以外の週は、週法定労働時時間を超えて労働した時間が割増賃金が必要な時間外労働になる。 3.変形期間については、1日及び1週間で時間外労働となった時間を除き、変形期間の総枠の限度時間を超えた部分が割増賃金の必要な時間外労働になる。(以下参照) |
| 1箇月の 法定労働時間 の総枠計算 |
週法定労働時間:40時間 の場合 1.31日の月の総枠 ≒ 177.1時間 (40時間×31日÷7) 2.30日の月の総枠 ≒ 171.4時間 (40時間×30日÷7) 3.29日の月の総枠 ≒ 165.7時間 (40時間×29日÷7) 4.28日の月の総枠 ≒ 160.0時間 (40時間×28日÷7) |
第三十二条の三~第三十二条の三の二 フレックスタイム制
第三十二条の三
① 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一この項の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、三箇月以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
三清算期間における総労働時間
四その他厚生労働省令で定める事項
② 清算期間が一箇月を超えるものである場合における前項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分中「労働時間を超えない」とあるのは「労働時間を超えず、かつ、当該清算期間をその開始の日以後一箇月ごとに区分した各期間(最後に一箇月未満の期間を生じたときは、当該期間。以下この項において同じ。)ごとに当該各期間を平均し一週間当たりの労働時間が五十時間を超えない」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。
③ 一週間の所定労働日数が五日の労働者について第一項の規定により労働させる場合における同項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「第三十二条第一項の労働時間」とあるのは「第三十二条第一項の労働時間(当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、労働時間の限度について、当該清算期間における所定労働日数を同条第二項の労働時間に乗じて得た時間とする旨を定めたときは、当該清算期間における日数を七で除して得た数をもつてその時間を除して得た時間)」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。
④ 前条第二項の規定は、第一項各号に掲げる事項を定めた協定について準用する。ただし、清算期間が一箇月以内のものであるときは、この限りでない。
第三十二条の三の二
使用者が、清算期間が一箇月を超えるものであるときの当該清算期間中の前条第一項の規定により労働させた期間が当該清算期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、第三十七条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
| 要 件 | 1.就業規則その他これに準ずるものにおいて始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる旨を定める 2.労使協定により下記規定事項を定める |
| 届 出 | 清算期間が1箇月を超える場合に、労使協定の届出が必要 |
| 規定事項 | 1.対象となる労働者の範囲 2.清算期間(3箇月以内に限る) 3.清算期間における起算日 4.清算期間における総労働時間 5.標準となる1日の労働時間 6.労働者が1日のうちで必ず働かなければならない時間帯(コアタイム)を設ける場合は、その時間帯の開始及び終了の時刻 7.労働者がその選択により労働することができる時間帯(フレキシブルタイム)に制限を設ける場合は、その時間帯の開始及び終了の時刻 8.清算期間が1箇月を超える場合は、労使協定の有効期間の定め |
| 効 果 | 1.労働者が選択したところによりその週につき週法定労働時間を超えて労働させることができる 2.労働者が選択したところにより1日8時間を超えて労働させることができる |
| 時間外労働 | 清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間 (清算期間が1箇月の場合、下記参照。) |
| 清算期間の 法定労働時間 の総枠計算 |
1週間の法定労働時間 × 清算期間の日数 ÷ 7 |
第三十二条の四~第三十二条の四の二 一年単位の変形労働時間制
第三十二条の四
① 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第三十二条の規定にかかわらず、その協定で第二号の対象期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定めるところにより、特定された週において同条第一項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二対象期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月を超え一年以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
三特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。第三項において同じ。)
四対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を一箇月以上の期間ごとに区分することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間(以下この条において「最初の期間」という。)における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)
五その他厚生労働省令で定める事項
② 使用者は、前項の協定で同項第四号の区分をし当該区分による各期間のうち最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間を定めたときは、当該各期間の初日の少なくとも三十日前に、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働日数を超えない範囲内において当該各期間における労働日及び当該総労働時間を超えない範囲内において当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない。
③ 厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見を聴いて、厚生労働省令で、対象期間における労働日数の限度並びに一日及び一週間の労働時間の限度並びに対象期間(第一項の協定で特定期間として定められた期間を除く。)及び同項の協定で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度を定めることができる。
④第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。
第三十二条の四の二
使用者が、対象期間中の前条の規定により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均し一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、第三十七条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。
| 要 件 | 労使協定により下記規定事項を定める |
| 届 出 | 必要 |
| 規定事項 | 1.対象となる労働者の範囲 2.対象期間(1箇月を超え1年以内の期間に限る) 3.対象期間における起算日 4.特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な時期) 5.対象期間における労働日及び労働日ごとの労働時間 6.労使協定の有効期間の定め |
| 効 果 | 1.特定された週において週法定労働時間(40時間)を超えて労働させることができる(上限52時間) 2.特定された日において8時間を超えて労働させることができる(上限10時間) |
| 時間外労働 | 1.1日については、8時間を超える時間を所定労働時間としている日は、その時間を超えて労働した時間、それ以外の日は、8時間を超えて労働した時間が割増賃金が必要な時間外労働になる。 2.1週間については、週法定労働時間超える時間を週所定労働時間としている週は、その時間を超えて労働した時間、それ以外の週は、週法定労働時時間を超えて労働した時間が割増賃金が必要な時間外労働になる。 3.対象期間については、1日及び1週間で時間外労働となった時間を除き、変形期間の総枠の限度時間を超えた部分が割増賃金の必要な時間外労働になる。(以下参照) |
| 対象期間の 法定労働時間 の総枠計算 |
40時間 × 対象期間の日数 ÷ 7 |
第三十二条の五 一週間単位の非定型的変形労働時間制
① 使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であつて、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、第三十二条第二項の規定にかかわらず、一日について十時間まで労働させることができる。
② 使用者は、前項の規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働させる一週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない。
③ 第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。
| 対象 | 1.日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる事業(小売業、旅館、料理店及び飲食店) 2.常時使用する労働者の数が30人数未満 |
| 要件 | 1.労使協定を締結する 2.労働させる1週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に書面で通知する |
| 届出 | 必要 |
| 効果 | 1日について、10時間まで労働させることができる |
第三十三条 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等
第三十三条(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
① 災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。
② 前項ただし書の規定による届出があつた場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる。
③ 公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。
1.災害等により臨時の必要がある場合の時間外・休日労働
| 要件 | 1.災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある 2.所轄労働基準監督署長の許可を受ける (事態急迫のために許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出る) |
| 効果 | その必要の限度において法定労働時間若しくは変形労働時間制による労働時間を延長し、又は法定休日に労働させることができる。 |
2.公務のために臨時の必要がある場合の時間外・休日労働
| 要件 | 官公署の事業に従事する国家公務員及び地方公務員について公務のために臨時の必要がある |
| 効果 | その必要の限度において法定労働時間若しくは変形労働時間制による労働時間を延長し、又は法定休日に労働させることができる。 |
第三十四条 休憩
第三十四条(休憩)
① 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
- 「休憩時間」とは、単に作業に従事しない手持時間を含まず労働者び権利として労働から離れることを保障されて居る時間の意であって、その他の拘束時間(手待時間)は労働時間として取り扱う。そのため、休憩時間中に電話や来客対応のために待機している時間は労働時間となる。
注記
休憩時間の長さ
(1)休憩時間の長さ
労働時間:6時間以内 … 休憩付与義務なし
労働時間:6時間超 8時間以内 … 少なくとも45分
労働時間:8時間超 … 少なくとも60分
(2)原則
(a)労働時間の途中に与えなければならない
(b)一斉に与えなければならない
(c)自由に利用させなければならない
休憩時間の利用
休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加へることは休憩の目的を害さない限り差し支えない。また、休憩時間中の外出を許可制とすることも、事業場内において自由に休憩することができるのであれば、必ずしも違法とはならない。
第三十五条 休日
① 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
- 「休日」とは、原則として1暦日(午前0時から午後12時までの24時間)のことをいう。よって、継続して24時間の労働義務がない時間帯を作ったとしても、休日を与えたことにはならない。
ただし、8時間3交替制の場合は、一定の場合に、継続24時間の休息を与えれば休日扱いとして差し支えない。 - 第2項の規定により労働者に休日を与える場合、使用者は、就業規則その他これに準ずるものにおいて、「4週間」の起算日を明らかにしなければならない。
注記
休日の振替(事前の振替)
| 要件 | 1.就業規則等において業務上必要があるときは休日の振替ができる旨の規定を設ける 2.あらかじめ振り替えるべき日を特定して、振り替える 3.週1日(第2項の場合は4週4日)の休日を確保する |
| 効果 | 就業規則において休日と定められている特定の日を指定して、これを労働日に変更し、代わりに他の労働日たる特定の日を休日に変更することができる |
代休(事後の振替)
休日に労働させた後、その後の特定の労働日に労働義務を免除する「代休」の場合、休日の振替には当たらない。つまり、法定休日に労働した日については、休日労働に対する割増賃金の支払いが必要になる。
労働基準法上は、代休を与える必要はなく、代休を与える場合、週1日(または4週4日)の休日を確保する義務もない。
第三十六条 時間外及び休日の労働
第三十六条(時間外及び休日の労働)
① 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
② 前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲
二対象期間(この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、一年間に限るものとする。第四号及び第六項第三号において同じ。)
三労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合
四対象期間における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
五労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
③ 前項第四号の労働時間を延長して労働させることができる時間は、当該事業場の業務量、時間外労働の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内において、限度時間を超えない時間に限る。
④ 前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間及び一年について三百二十時間)とする。
⑤ 第一項の協定においては、第二項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間(第二項第四号に関して協定した時間を含め百時間未満の範囲内に限る。)並びに一年について労働時間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め七百二十時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる。この場合において、第一項の協定に、併せて第二項第二号の対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が一箇月について四十五時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間)を超えることができる月数(一年について六箇月以内に限る。)を定めなければならない。
⑥ 使用者は、第一項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。
一坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、一日について労働時間を延長して労働させた時間二時間を超えないこと。
二一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間百時間未満であること。
三対象期間の初日から一箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の一箇月、二箇月、三箇月、四箇月及び五箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の一箇月当たりの平均時間八十時間を超えないこと。
⑦ 厚生労働大臣は、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して指針を定めることができる。
⑧ 第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長及び休日の労働を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の指針に適合したものとなるようにしなければならない。
⑨ 行政官庁は、第七項の指針に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
⑩ 前項の助言及び指導を行うに当たつては、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない。
⑪ 第三項から第五項まで及び第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない。
- 「書面による協定」(36(サブロク)協定)とは、法定労働時間を超えて労働者に時間外労働や休日労働をさせるために、使用者と労働者の間で結ぶ労使協定であり、労働者に過度な労働を強いることを防ぎ、時間外労働には割増賃金が適用されるなど、労働者の権利を保護する役割を果たします。
注記
36協定
| 要件 | 1.労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲 2.対象期間(1年間に限る) 3.労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合 4.対象期間における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数 5.労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項 a.36協定(労働協約による場合を除く)の有効期間 b.対象期間における1年の起算日 c.第6項第2号及び第3号に定める要件を満たすこと d.限度時間を超えて労働させることができる場合 e.限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置 f.限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率 g.限度時間を超えて労働させる場合における手続 |
| 届出 | 必要 |
| 効果 | 法定労働時間若しくは変形労働時間による労働時間を延長し、又は法定休日に労働させることができる |
36協定で定める時間外労働の限度時間
| 原則 | 1年変形労働時間制(対象期間3箇月超) | |
| 1箇月 | 45時間 | 42時間 |
| 1年 | 360時間 | 320時間 |
特別条項を定めた場合の36協定における時間外労働及び休日労働の限度時間(エスケープ条項)
| 限度 | |
| 1箇月 | 100時間未満(時間外労働時間+休日労働時間) |
| 1年 | 720時間未満(時間外労働時間) |
| 回数 | 6回/年 |
実際の時間外労働及び休日労働の限度時間
| 限度 | |
| 坑内労働 | 2時間/日 |
| 1箇月 | 100時間未満(時間外労働時間+休日労働時間) |
| 複数月平均 | 80時間を超えない(時間外労働時間+休日労働時間) |
第三十七条 時間外、休日及び深夜の割増賃金
第三十七条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
① 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
② 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
③ 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。
④ 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
⑤ 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
注記
割増率
| 種類 | 内容 | 割増率 |
| 時間外労働 (法定内) |
所定労働時間を超え法定労働時間以内で労働させた場合 | 割増なし |
| 時間外労働 (法定外) |
法定労働時間若しくは変形労働時間による労働時間を延長して労働させた場合 | 25%以上 |
| 時間外労働 (60時間超) |
1箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合 その超えた時間分 |
50%以上 (25%+25%) |
| 深夜労働 | 午後10時から午前5時までの間に労働させた場合 | 25%以上 |
| 休日労働 | 法定休日に労働させた場合 | 35%以上 |
| 時間外労働 + 深夜労働 |
法定労働時間若しくは変形労働時間による労働時間を延長して 労働させた時間が午後10時から午前5時までの間にある場合 |
50%以上 (25%+25%) |
| 時間外労働 + 深夜労働 (60時間超) |
1箇月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合 その超えた時間分 |
75%以上 (25%+25%+25%) |
| 休日労働 + 深夜労働 |
法定休日に労働させた時間が午後10時から午前5時までの間にある場合 | 60%以上 (35%+25%) |
割増賃金の基礎に算入しない賃金
割増賃金の基礎となる賃金に、下記の賃金は算入しない
1.家族手当
2.通勤手当
3.別居手当
4.子女教育手当
5.住宅手当
6.臨時に支払われた賃金
7.1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金
但し、1.から5.のうち、労働者の属性にかかわらず一律に支払われる場合は、割増賃金の基礎に含める
代替休暇
代替休暇は、労使協定を締結することで、本来であれば50%以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要となる時間外労働時間に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる有給の休暇を与えることができる制度である
| 要件 | 労使協定の締結 |
| 効果 | 1箇月について60時間を超えて時間外労働に対する割増賃金の支払いに代えることができる |
| 時間数の 算定方法 |
60時間を超えて時間外労働をさせた時間数 × 換算率 換算率:労働者が代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率と、 代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率 との差に相当する率 |
| 休暇単位 | 1日又は半日 |
| 期間 | 60時間を超えた月の末日の翌日から2箇月以内 |
第三十八条~第三十八条の四 時間計算
第三十八条(時間計算)
① 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
② 坑内労働については、労働者が坑口に入つた時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。但し、この場合においては、第三十四条第二項及び第三項の休憩に関する規定は適用しない。
第三十八条の二
① 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
② 前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
③ 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
第三十八条の三
① 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる時間労働したものとみなす。
一 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対象業務」という。)
二 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間
三 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。
四 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
五 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
六 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
② 前条第三項の規定は、前項の協定について準用する。
第三十八条の四
① 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。
一 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(以下この条において「対象業務」という。)
二 対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であつて、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるものの範囲
三 対象業務に従事する前号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間として算定される時間
四 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
五 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
六 使用者は、この項の規定により第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を対象業務に就かせたときは第三号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
② 前項の委員会は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に厚生労働省令で定めるところにより任期を定めて指名されていること。
二 当該委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されるとともに、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること。
三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件
③ 厚生労働大臣は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るために、労働政策審議会の意見を聴いて、第一項各号に掲げる事項その他同項の委員会が決議する事項について指針を定め、これを公表するものとする。
④ 第一項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、同項第四号に規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。
⑤ 第一項の委員会においてその委員の五分の四以上の多数による議決により第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項及び第二項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第二項及び第五項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する事項について決議が行われた場合における第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書の規定の適用については、第三十二条の二第一項中「協定」とあるのは「協定若しくは第三十八条の四第一項に規定する委員会の決議(第百六条第一項を除き、以下「決議」という。)」と、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第二項及び第五項から第七項まで、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書中「協定」とあるのは「協定又は決議」と、第三十二条の四第二項中「同意を得て」とあるのは「同意を得て、又は決議に基づき」と、第三十六条第一項中「届け出た場合」とあるのは「届け出た場合又は決議を行政官庁に届け出た場合」と、「その協定」とあるのは「その協定又は決議」と、同条第八項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」と、「当該協定」とあるのは「当該協定又は当該決議」と、同条第九項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」とする。
- 「通算」の具体例は、労働者が1日のうち、A事業場で5時間、B事業場で5時間労働した場合は、1日の労働時間は10時間として計算され、2時間分の時間外労働に対する割増賃金をB事業主が支払わなければならない
- 「労働時間を算定し難いとき」とは、事業場外で業務に従事し、かつ、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難である場合。
- 「労働者に就かせることとする業務(対象業務)」とは、下記19種類である
1.新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
2.情報処理システムの分析又は設計の業務
3.新聞若しくは出版の事業又は放送番組の制作のための取材若しくは編集の業務
4.衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
5.放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
6.コピーライターの業務
7.システムコンサルタントの業務
8.インテリアコーディネーターの業務
9.ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
10.証券アナリストの業務
11.金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
12.大学における教授研究の業務
13.公認会計士の業務
14.弁護士の業務
15.建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
16.不動産鑑定士の業務
17.弁理士の業務
18.税理士の業務
19.中小企業診断士の業務 - 「報告」とは、対象労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況について6箇月以内ごとに1回行うものとする。
注記
事業場外労働(法38条の2)
労働時間の算定
1.原則 … 所定労働時間労働したものとみなす
2.所定労働時間 … 当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが
必要となる場合においては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす
3.労使協定 … 労使協定があるときは、その協定で定める当該業務の遂行に通常必要とされる
時間労働したものとみなす(法定労働時間を超えるときは届出が必要)
専門業務型裁量労働制(法38条の3・則24条の2の2(R6.4.1改正))
1.要件
労使協定で次の事項を定める
(1)対象業務
(2)労働時間として算定される1日当たりの労働時間数
(3)対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に
対し使用者が具体的な指示をしないこと
(4)対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保
するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること
(5)対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところに
より使用者が講ずること
(6)専門業務型裁量労働制の適用につき、当該労働者の同意を得なければならないこと及び
当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
(7)(6)の同意の撤回に関する手続
(6)労使協定(労働協約を除き、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む)
の有効期間
(7)使用者は、次に掲げる事項に関する労働者ごとの記録を協定の有効期間中及び当該有効
期間の満了後5年間保存すること。
(a)労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置
として講じた措置の実施状況
(b)労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置の実施状況
(c)(6)の同意及びその撤回
2.効果
労使協定で定める時間労働したものとみなす
企画業務型裁量労働制(法38条の4)
1.要件
労使委員会の委員の5分の4の多数による議決により、次の事項に関する決議をし、かつ
所轄労働基準監督署長に届け出る
(1)対象業務
(2)対象労働者の範囲
(3)労働時間として算定される1日当たりの労働時間数
(4)対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保
するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること
(5)対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところに
より使用者が講ずること
(6)対象労働者の同意を得なければならないこと及び同意をしなかった労働者に不利益な
取扱いをしてはならないこと
(7)決議の有効期間
(8)使用者は、次に掲げる事項に関する労働者ごとの記録を決議の有効期間中及び当該有効
期間の満了後3年間保存すること。
(a)対象労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置
として講じた措置
(b)労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置
(c)対象労働者から得た同意
2.効果
労使委員会の決議で定める時間労働したものとみなす
3.報告
対象労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施
状況について6箇月以内ごとに1回行う
第三十九条 年次有給休暇
第三十九条(年次有給休暇)
① 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
② 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。
六箇月経過日から起算した継続勤務年数 労働日
一年 一労働日
二年 二労働日
三年 四労働日
四年 六労働日
五年 八労働日
六年以上 十労働日
③ 次に掲げる労働者(一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前二項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第一号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
一 一週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
二 週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、一年間の所定労働日数が、前号の厚生労働省令で定める日数に一日を加えた日数を一週間の所定労働日数とする労働者の一年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者
④ 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
一 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三 その他厚生労働省令で定める事項
⑤ 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
⑥ 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。
⑦ 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
⑧ 前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。
⑨ 使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間又は第四項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
⑩ 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間は、第一項及び第二項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。
- 「全労働日」とは、総歴日数から所定休日を除いた日である。
1.全労働日に含めないもの
a.所定休日(休日労働をさせても含まない)
b.不可抗力による休業日
c.使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
d.正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日
e.代替休暇を取得し終日勤務しなかった日
2.出勤したものとみなされる日
a.業務上の負傷による療養のための休業期間
b.産前産後の休業期間
c.育児・介護休業法の育児休業または介護休業を取得した期間
d.年次有給休暇を取得した期間
注記
付与条件
1.6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤する。
2.1年6箇月以上継続勤務し、6箇月経過日から1年ごとに全労働日の8割以上出勤する。
付与日数
| 勤続年数 | 6箇月 | 1年 6箇月 |
2年 6箇月 |
3年 6箇月 |
4年 6箇月 |
5年 6箇月 |
6年 6箇月 以上 |
| 付与日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
比例付与
1.対象者
(1)週所定労働時間が30時間未満
(2)週所定労働日数が4日以下
(3)週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、年間所定労働日数が、
216日以下
2.付与日数
通常の労働者の付与日数 × 比例付与対象者の週所定労働日数 ÷ 5.2
賃金
1.原則
就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金。
2.例外
労使協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法に規定する標準報酬月額の30分の1に相当する金額。
時間単位の取得
労使協定で下記を定める。
1.時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲。
2.時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(5日以内に限る)。
時季の変更
1.労働者の時季指定権
使用者は有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。
2.使用者の時季変更権
請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、
他の時季にこれを与えることができる。
計画的付与
有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、労使協定(届出不要)の定めにより有給休暇を付与することができる。
使用者の時季指定付与
使用者は10労働日以上の有給休暇を付与する労働者の、その日数のうち5日については、基準日(継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間の初日をいう)から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
但し、計画的付与により有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が5日を超える場合には、5日とする)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。
有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日(6箇月未満の継続勤務)から与えることとしたときは、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
不利益取扱いの禁止
有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない(罰則規定なし)。
第四十条 労働時間及び休憩の特例
第四十条(労働時間及び休憩の特例)
① 別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第三十二条から第三十二条の五までの労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。
② 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであつて、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。
注記
労働時間の例外
1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができるのは、下記の場合である。
<業種>
常時10人未満の労働者を使用する事業
(1)商業
(2)映画・演劇の事業(映画の製作の事業を除く)
(3)保健衛生業
(4)接客娯楽業
<条件>
労使協定(労使委員会における委員の5分の4以上の多数による決議を含む。)又は就業規則その他これに準ずるものにより定めをする。
休憩の例外
(1)一斉付与の例外
(a)労使協定(届出不要)を締結する。
(b)下記事業は適用されない。
イ.運輸交通業
ロ.商業
ハ.金融・広告業
二.映画・演劇業
ホ.通信業
ヘ.保健衛生業
ト.接客娯楽業
チ.官公署
(2)自由利用の例外
(a)警察官、消防吏員、常勤の消防団員、准救急隊員及び児童自立支援施設に勤務する職員で
児童と起居をともにする者。
(b)乳児院、児童養護施設及び障害児入所施設に勤務する職員で児童と起居をともにする者
(あらかじめ所轄労働基準監督署長の許可が必要)。
(c)児童福祉法に規定する居宅訪問型保育事業に使用される労働者のうち、家庭的保育者
として保育を行う者。
(3)付与の例外
(a)運輸交通業又は郵便若しくは信書便の事業に使用される労働者のうち列車、気動車、電車、
自動車、船舶又は航空機に乗務する乗務員で長距離にわたり継続して乗務する者。
(b)郵便、信書便又は電気通信の事業に使用される労働者で屋内勤務者30人未満の日本郵便
株式会社の営業所において郵便の業務に従事する者。
(c)乗務員で(a)に該当しないものについては、その者の従事する業務の性質上、休憩時間を
与えることができないと認められる場合において、その勤務中における停車時間、折返しに
よる待合せ時間その他の時間の合計が法定の休憩時間に相当する者。
第四十一条 労働時間等に関する規定の適用除外
第四十一条(労働時間等に関する規定の適用除外)
この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
- 「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者で、名称にかかわらず出社退社等について厳格な制限を受けない者について実体的に判別すべきものである。
- 「機密の事務を取り扱う者」とは、秘書その他職務が、経営者又は監督若しくは管理の地位に在る者の活動と一体不可分であって、出社退社等についての厳格な制限を受けない者であること。
- 「監視に従事する者」とは、原則として一定部署にあって監視するのを本来の業務とし常態として身体又は精神緊張の少いものであること(火の番、門番、守衛、水路番、メーター監視等)。
- 「断続的労働に従事する者」とは、休憩時間は少いが手持時間が多い者である(修繕夫、貨物の積卸に従事する者、寄宿舎の賄人、鉄道踏切番等)。
注記
- 対象業務 … 農業、畜産業、養殖業、水産業(林業を除く第1次産業)
- 本条による者についても深夜業についての規定の適用はこれを排除しない
第四十一条の二 高度プロフェッショナル制度
① 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。 一 高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この項において「対象業務」という。) 二 この項の規定により労働する期間において次のいずれにも該当する労働者であつて、対象業務に就かせようとするものの範囲 イ 使用者との間の書面その他の厚生労働省令で定める方法による合意に基づき職務が明確に定められていること。 ロ 労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。)の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。 三 対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(この項の委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(第五号ロ及びニ並びに第六号において「健康管理時間」という。)を把握する措置(厚生労働省令で定める方法に限る。)を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。 四 対象業務に従事する対象労働者に対し、一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が与えること。 五 対象業務に従事する対象労働者に対し、次のいずれかに該当する措置を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること。 イ 労働者ごとに始業から二十四時間を経過するまでに厚生労働省令で定める時間以上の継続した休息時間を確保し、かつ、第三十七条第四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一箇月について厚生労働省令で定める回数以内とすること。 ロ 健康管理時間を一箇月又は三箇月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内とすること。 ハ 一年に一回以上の継続した二週間(労働者が請求した場合においては、一年に二回以上の継続した一週間)(使用者が当該期間において、第三十九条の規定による有給休暇を与えたときは、当該有給休暇を与えた日を除く。)について、休日を与えること。 ニ 健康管理時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に健康診断(厚生労働省令で定める項目を含むものに限る。)を実施すること。 六 対象業務に従事する対象労働者の健康管理時間の状況に応じた当該対象労働者の健康及び福祉を確保するための措置であつて、当該対象労働者に対する有給休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)の付与、健康診断の実施その他の厚生労働省令で定める措置のうち当該決議で定めるものを使用者が講ずること。 七 対象労働者のこの項の規定による同意の撤回に関する手続 八 対象業務に従事する対象労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。 九 使用者は、この項の規定による同意をしなかつた対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。 十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項 ② 前項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、同項第四号から第六号までに規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。 ③ 第三十八条の四第二項、第三項及び第五項の規定は、第一項の委員会について準用する。 ④ 第一項の決議をする委員は、当該決議の内容が前項において準用する第三十八条の四第三項の指針に適合したものとなるようにしなければならない。 ⑤ 行政官庁は、第三項において準用する第三十八条の四第三項の指針に関し、第一項の決議をする委員に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
- 「対象業務」とは、高度プロフェッショナル制度の対象業務は、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる業務であり、具体的には、次に掲げる業務である。
(1)金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
(2)ディーリング業務
(3)アナリスト業務
(4)コンサルタント業務
(5)新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務 - 「対象業務に就かせようとするものの範囲」とは、
(1)使用者との間の合意(書面の交付を受ける方法等)に基づき職務が明確に定められて
いること。
(2)労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を1年間当たりの賃金の額に
換算した額が基準年間平均給与額の3倍の額を相当程度上回る水準として1,075万円以上
であること。 - 「健康管理時間」とは、対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(この項の委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間。
注記
1.要件
(1)労使委員会の委員の5分の4の多数による議決により、次の事項に関する決議をする
(2)当該決議を所轄労働基準監督署長に届け出る
(3)対象労働者の同意を得る
| 決議事項 | |
| 1 | 対象業務 |
| 2 | 対象労働者の範囲 |
| 3 | 対象労働者の健康管理時間を把握すること及びその把握方法 |
| 4 | 対象労働者に、年間104日以上、かつ、4週間を通じ4日以上の休日を与えること |
| 5 | 対象労働者の選択的措置 |
| 6 | 対象労働者の健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置 |
| 7 | 対象労働者の同意の撤回に関する手続 |
| 8 | 対象労働者の苦情処理措置を実施すること及びその具体的内容 |
| 9 | 同意をしなかった労働者に不利益な取扱いをしてはならないこと |
| 10 | 決議の有効期間等 |
2.効果
労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定が適用されなくなる
3.報告
対象労働者の健康管理時間の状況並びに休日確保措置、選択的措置及び健康福祉確保措置
の実施状況について6箇月以内ごとに1回行う
4.指針
(1)厚生労働大臣は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るために、
労使委員会が決議する事項について指針を定め、これを公表する。
(2)決議をする労使委員会の委員は、当該決議の内容が指針に適合したものとなるように
しなければならない。
(3)行政官庁は、指針に関し、決議をする労使委員会の委員に対し、必要な助言及び指導を
行うことができる。
勤務間インターバル
労働者ごとに始業から24時間を経過するまでに11時間以上の継続した休息時間を確保し、かつ、深夜時間帯に労働させる回数を1箇月について4回以内とすること。
健康管理時間の上限
1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1箇月について100時間を超えない範囲内とすること又は3ヶ月について240時間を超えない範囲内とすること。
連続休日確保措置
1年に1回以上の継続した2週間(労働者が請求した場合においては、1年に2回以上の継続した1週間)(使用者が当該期間において、有給休暇を与えたときは、当該有給休暇を与えた日を除く)について、休日を与えること。
臨時健康診断
1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間が1ヶ月当たり80時間を超えた労働者又は申出があった労働者に臨時健康診断を実施すること。

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