【2026年版】加給年金の受給条件、いくらもらえる?いつから受給できる?社会保険労務士がわかりやすく解説

はじめに

老齢厚生年金を受給している方の中には、

  • 「加給年金という制度を聞いたことがある」
  • 「配偶者がいるともらえるらしい」
  • 「申請しないともらえないの?」
  • 「いくら受給できるの?」

という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

加給年金は、一定の条件を満たした厚生年金加入者に支給される年金の上乗せ制度です。

しかし、制度を知らなかったために請求が遅れたり、自分は対象外だと思い込んでいたりするケースも少なくありません。

今回は、加給年金の受給条件、支給額、受給開始時期、手続方法、停止されるケースまで、社会保険労務士の視点から詳しく解説します。


加給年金とは?

加給年金とは、厚生年金に20年以上加入した方が老齢厚生年金を受給するときに、生計を維持している配偶者や子がいる場合に加算される年金です。

分かりやすく言えば、

「厚生年金版の家族手当」

のような制度です。

会社員時代には扶養手当が支給されていた方も多いと思いますが、加給年金は老齢厚生年金に付加される家族扶養のための年金と考えると理解しやすいでしょう。


加給年金を受給するための条件

加給年金を受給するためには、受給者本人と扶養される家族の双方が要件を満たす必要があります。

加給年金の主な受給要件

要件内容
厚生年金加入期間原則20年以上
年齢老齢厚生年金受給権取得者
配偶者65歳未満
18歳到達年度末まで(一定の障害状態は20歳未満)
生計維持生計を維持していること

本人の要件

加給年金を受給する本人には次の条件があります。

厚生年金加入期間が20年以上

原則として、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あることが必要です。

ただし、中高齢特例などにより20年未満でも対象になるケースがあります。


老齢厚生年金を受給していること

加給年金は老齢厚生年金に加算される制度です。

そのため、

  • 老齢基礎年金のみ受給
  • 国民年金のみ加入

の場合は対象になりません。


配偶者の要件

加給年金で最も多いのが配偶者加給です。

配偶者は次の条件を満たす必要があります。

配偶者が65歳未満であること

ここが最も重要なポイントです。

配偶者が65歳になると、原則として加給年金は終了します。

その後は「振替加算」が支給される場合があります。


生計を維持されていること

一般的には、

  • 同居している
  • 仕送りを受けている

などの場合が該当します。

また、配偶者の前年収入が一定額未満であることが求められます。


子どもに対する加給年金

配偶者だけでなく子どもがいる場合にも加算されます。

対象となる子は、

  • 18歳到達年度末まで
  • 1級または2級の障害状態にある20歳未満の子

です。


加給年金はいくらもらえる?

受給額は毎年度改定されます。

2026年度の目安としては次のようになります。

加給年金額(配偶者)

対象者年額(目安)
配偶者約41万円程度
第1子・第2子各約23万円程度
第3子以降各約8万円程度

※実際の支給額は年度改定により変動します。


特別加算とは?

配偶者加給には特別加算があります。

受給者の生年月日に応じて加算額が異なります。

そのため、

単純に基本額だけではなく、

実際には年間40万円以上の加給年金を受給している方が多くなっています。


いつから受給できる?

加給年金は、老齢厚生年金の受給権が発生した時点から支給されます。

受給開始のイメージ

65歳到達
  ↓
老齢厚生年金受給開始
  ↓
配偶者65歳未満
  ↓
加給年金加算開始

ただし、

請求手続きをしなければ支給されない場合があります。


申請しないともらえない?

ここは非常に重要です。

日本年金機構が自動判定するケースもありますが、加給年金の対象者であっても、

  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票
  • 生計維持確認書類

などの提出が必要になることがあります。

「対象なのに請求していなかった」というケースは意外と少なくありません。


加給年金が停止されるケース

加給年金は一度受給が始まっても永久に続くわけではありません。


配偶者が65歳になった

最も多い終了理由です。

配偶者が65歳になると加給年金は終了します。


配偶者が老齢厚生年金を受給できるようになった

一定額以上の老齢厚生年金受給権がある場合は停止となることがあります。


離婚した場合

婚姻関係が解消されれば対象外となります。


生計維持関係がなくなった場合

別居や収入増加などにより、

生計維持関係が認められなくなった場合も停止されます。


加給年金と振替加算の関係

配偶者が65歳になると加給年金は終了します。

しかし、一定条件を満たす配偶者には

「振替加算」

が支給されます。

制度の流れ

夫に加給年金支給
    ↓
妻65歳到達
    ↓
加給年金終了
    ↓
妻の老齢基礎年金に
振替加算が加算

この制度により、夫婦全体としての年金収入の急激な減少を緩和しています。


加給年金を見落としやすい人

特に次のような方は確認が必要です。

  • 厚生年金加入期間20年以上
  • 年下の配偶者がいる
  • 妻が専業主婦
  • 年金請求を最近行った
  • 65歳前後である

これらに該当する方は、年金事務所で確認することをおすすめします。


社会保険労務士に相談するメリット

加給年金は、

  • 厚生年金加入期間
  • 配偶者の年齢
  • 配偶者の年金受給状況

などを総合的に判断する必要があります。

そのため、

  • 自分が対象か分からない
  • 振替加算との違いが分からない
  • 年金請求手続きが不安

という方は社会保険労務士への相談がおすすめです。


まとめ

加給年金は、老齢厚生年金受給者にとって非常に重要な制度です。

年間40万円以上の加算となる場合もあり、老後生活に大きな影響を与えます。

特に確認したいポイントは次の5つです。

最終チェックリスト

☑ 厚生年金加入期間が20年以上ある

☑ 老齢厚生年金を受給している

☑ 配偶者が65歳未満である

☑ 生計維持関係がある

☑ 必要な手続きを行っている

加給年金は請求漏れによって受け取れないケースもあります。年金請求時には必ず対象かどうか確認しましょう。

老後の大切な収入源を確実に受け取るためにも、不明点があれば年金事務所や社会保険労務士へ早めに相談することをおすすめします。

参考リンク

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