近年最低賃金が大きく上昇しています。時給者はわかりやすいのですが、月給者は最低賃金以上の給与が支給されているのか、自分で計算する必要があります。以下の手順を参考にして、自分の月給が最低賃金を満たしているかどうかを確認してください。
地域別最低賃金の確認
日本の最低賃金は地域ごとに異なるため、まずは自分が働いている地域の最低賃金を確認する必要があります。厚生労働省のウェブサイトには、最新の地域別最低賃金が掲載されています。地域別最低賃金は毎年10月に改定されるため、最新情報を確認することが重要です。
月給者の最低賃金の計算
計算例
月給者の場合、月給を時給に換算して最低賃金と比較します。
- 月給を時給に換算する
- 月給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間 = 時給
- 200,000円 ÷ 160時間 = 1,250円/時
- 時給と最低賃金を比較する
- 計算した時給が、その地域の最低賃金以上であることを確認します。
月給とは
月給者の最低賃金を計算する際に含める手当には、基本給以外に一部の手当が含まれる場合があります。ただし、全ての手当が含まれるわけではなく、最低賃金の計算に含められるものと含められないものがあります。
最低賃金の計算に含める手当
- 基本給:月給の基本部分。
- 職務手当:職務に対する手当。
- 役職手当:役職に基づく手当。
- 技術手当:技術や資格に基づく手当。
- 特定の時間外労働手当:例えば深夜労働手当など(ただし、法定の割増賃金は除く)。
- 住宅手当:住宅手当の名目で全社員に支給されている手当。
最低賃金の計算に含めない手当
- 時間外労働手当(残業手当):法定の割増賃金を含むもの。
- 休日労働手当:法定の割増賃金を含むもの。
- 深夜労働手当:法定の割増賃金を含むもの。
- 通勤手当:通勤にかかる費用の手当。
- 家族手当:扶養家族に対する手当。
- 住宅手当:住宅費用を補助する手当。
- 臨時に支払われる賃金:臨時ボーナスなど。
- 賞与(ボーナス):年末や期末に支払われるもの。
- 退職金:退職時に支払われるもの。
具体例
例えば、東京都の最低賃金が1,072円(2023年10月時点)だと仮定します。あなたの月給が200,000円で、1ヶ月の平均所定労働時間が160時間であれば:
- 月給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間 = 200,000円 ÷ 160時間 = 1,250円/時
この時給が東京都の最低賃金1,072円を上回っているため、最低賃金を満たしています。
総労働時間の確認
総労働時間には、所定労働時間だけでなく、残業時間や深夜労働時間も含めて考慮する必要があります。これらが適切に支払われているかも確認します。
問い合わせ先
もし自分の賃金が最低賃金を満たしているかどうか不明な場合、労働基準監督署に問い合わせることができます。
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