新社会人として働き始めると、給与から「社会保険料」や「労働保険料」が天引きされることに気づくでしょう。これらの制度は、あなたの生活を守る重要な仕組みです。本記事では、社会保険と労働保険の基本的な仕組みをわかりやすく解説します。
1. 社会保険とは?
社会保険は、主に「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険(40歳以上)」の3つの制度で構成されています。これらは、病気やケガ、老後の生活などに備えるための仕組みです。
(1) 健康保険
健康保険は、病気やケガの際に医療費の負担を軽減する制度です。
- 保険料負担:会社と従業員が半分ずつ負担します。
- 自己負担割合:医療機関での診療費は3割負担します。
- 傷病手当金:病気やケガで4日以上会社を休んだ場合、給与の一部が補償されます。
(2) 厚生年金保険
厚生年金保険は、老後や障害を負った際に給付を受ける制度です。
- 保険料負担:会社と従業員が半分ずつ負担します。
- 年金の種類:老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金などです。
- 将来の年金額:国民年金(基礎年金)に加え、上乗せで受給が可能です。
(3) 介護保険(40歳以上)
40歳以上の方は、介護保険料の支払いが義務化されます。
- 保険料負担:健康保険料に上乗せして徴収されます。
- 給付内容:介護サービスの利用時に利用料の一部が補助されます。
2. 労働保険とは?
労働保険は、「雇用保険」と「労災保険」の2つの制度で構成されています。いずれも労働者を保護するための仕組みです。
(1) 雇用保険
雇用保険は、失業時や育児・介護休業中の生活を支援する制度です。
- 保険料負担:労働者と会社が負担します。
- 失業給付:一定の条件を満たせば、失業中に給付金を受給できます。
- 育児休業給付:育児休業中に一定の給付金を受け取れます。
(2) 労災保険
労災保険は、仕事中や通勤途中のケガ・病気に対して補償を行う制度です。
- 保険料負担:全額会社が負担し、労働者の負担はありません。
- 給付内容:治療費の全額補償、休業補償、遺族補償などです。
3. 給与からの天引きと控除額の目安
給与明細を見ると、社会保険料や税金が差し引かれています。
- 健康保険料・厚生年金保険料:給与の約15%(会社と折半)が差し引かれます。
- 雇用保険料:給与の約0.6~0.9%(業種による)が差し引かれます。
- 所得税・住民税:個人の所得に応じて変動します。ただし、住民税は2年目からです。
例)月収20万円の場合、約3~4万円が社会保険料として差し引かれます。
4. 社会保険・労働保険の手続き
会社が従業員を採用すると、以下の手続きを行います。
- 健康保険・厚生年金保険:会社が加入手続きを行います。
- 雇用保険:会社がハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
- 労災保険:特別な手続きは不要です。
5. まとめ
社会保険と労働保険は、新社会人が安心して働くための大切な制度です。
- 健康保険:医療費の負担を軽減。
- 厚生年金保険:老後の生活を支える。
- 雇用保険:失業や育児・介護休業時に支援。
- 労災保険:仕事中のケガや病気を補償。
初めて給与明細を見ると「手取りが少ない」と感じるかもしれませんが、これらの制度によって将来のリスクに備えられます。しっかりと制度を理解し、安心して社会人生活をスタートさせましょう!
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