転職時に注意すべき社会保険と労働保険の切り替え~知らないと損をする!スムーズな移行のためのチェックポイント~

転職は人生の大きな転機のひとつですが、新しい職場への期待と同時に、退職・入社に伴う「社会保険」や「労働保険」の切り替え手続きも重要なポイントです。これらの手続きを怠ると、保険が適用されない期間が生じたり、思わぬ負担が発生するリスクがあります。

本記事では、転職時に押さえておきたい社会保険・労働保険の切り替えの流れと注意点を、社会保険労務士の視点から詳しく解説します。

1. 社会保険とは?転職で何が変わるのか

社会保険とは、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険(40歳以上)」を中心とする制度で、一般的には会社勤めの人が加入しています。

転職時に社会保険はどうなる?

会社を退職すると、原則として退職日翌日に前職の社会保険の資格を喪失します。その後、次の会社に入社し、新たな社会保険に加入するまでの間に空白期間ができないようにすることが非常に重要です。

2. 健康保険の切り替えと選択肢

退職後から再就職までの期間によって、加入方法が変わります。

健康保険の選択肢は主に3つ

  1. 任意継続被保険者制度
    • 条件:退職前に継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
    • 内容:最長2年間、退職前の健康保険を継続できる
    • 注意点:保険料は全額自己負担(会社負担分も含む)
  2. 国民健康保険への加入
    • 会社の保険から脱退後、市区町村の窓口で加入
    • 所得に応じた保険料が課される
  3. 再就職先での健康保険加入
    • 就職初日から健康保険に加入(※加入条件を満たす場合)
    • 前職との間に保険の空白が生じないよう注意

ポイント:空白期間の医療費自己負担に注意!

万が一、空白期間に病気やけがをした場合、医療費が全額自己負担になります。退職日と入社日が離れている場合は、あらかじめ任意継続か国保加入の手続きを行いましょう。

3. 厚生年金保険の切り替え

退職により厚生年金保険の資格を喪失し、再就職により再加入することになります。空白期間が長い場合は、国民年金に切り替える必要があります。

国民年金への切り替え(20歳以上60歳未満)

  • 退職後すぐに再就職しない場合、市町村での国民年金の加入手続きが必要です。
  • 免除制度や納付猶予制度もあり、手続きを怠ると将来の年金額に影響します。

4. 労働保険(雇用保険・労災保険)の切り替え

雇用保険(失業保険)について

退職時に失業保険を受給する場合は、以下のような流れになります。

  1. 会社から離職票を受け取る
  2. ハローワークにて失業の認定を受ける
  3. 給付金の支給(条件に応じて給付日数が異なる)

注意すべきは、「自己都合退職」の場合は給付までの待期期間(通常7日+2~3ヶ月)があることです。

再就職先での雇用保険加入

再就職後、雇用保険の加入条件(週20時間以上の勤務など)を満たすと、自動的に再加入となります。離職票が未提出のままだと、給付や加入に不利益が出る可能性があるため、速やかに手続きしましょう

5. 転職時における注意点チェックリスト

項目チェック内容
健康保険の切り替え任意継続・国保・新職場の保険、いずれに加入するか決めたか?
年金の切り替え国民年金の手続きを市区町村で行ったか?
雇用保険の給付手続き離職票の受け取りとハローワークへの届け出は完了したか?
新職場での保険加入確認健康保険・厚生年金・雇用保険に関して、入社時に適切に処理されているか?
保険料納付の漏れの確認空白期間に保険料を納めるべきか確認し、未納を避けたか?

6. 社会保険と労働保険の切り替えに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 離職票がなかなか届かない場合はどうすればいい?

離職票の発行には数日〜2週間ほどかかることがあります。遅延している場合は、前職の会社の人事部に連絡しましょう。それでも届かない場合、ハローワークに相談を。

Q2. 任意継続と国保、どちらが得?

人によって異なります。一般的に、任意継続の方が保険料が高くなる傾向がありますが、扶養家族が多い場合や医療費負担割合で有利になるケースもあるため、各市区町村の保険料計算でシミュレーションすることが大切です。

Q3. 空白期間が1週間でも保険に加入すべき?

はい、1日でも医療保険がない期間はリスクです。短期間であっても国保または任意継続でカバーすることをおすすめします。

まとめ:転職時は社会保険・労働保険の切り替えが重要!

転職時は、社会保険と労働保険の切り替え手続きを忘れず・遅れず・漏れなく行うことが重要です。これらの手続きを正しく行うことで、医療保障や年金、雇用保険給付といった社会保障をスムーズに継続することができ、将来のリスクにも備えることができます。

不安がある方は、社会保険労務士などの専門家に相談することで、状況に応じた適切なアドバイスが得られます。当事務所では、退職・転職に伴う社会保険や労働保険の手続きサポートを行っております。

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