~認定取得のメリットと具体的な取り組みを社会保険労務士が解説~
近年、企業における「働きやすい職場環境づくり」が重要視されています。特に、子育て支援や女性活躍の推進に積極的な企業は、採用や企業イメージの面でも大きなメリットがあります。
そのような企業の取り組みを国が認定する制度として、「くるみん認定」と「えるぼし認定」があります。これらの認定は、企業の社会的評価を高めるだけでなく、人材確保や企業ブランド向上にもつながります。
しかし、中小企業の経営者や人事担当者の中には、
- 「認定を受けるには何をすればいいのか?」
- 「大企業でないと難しいのでは?」
- 「制度の内容がよく分からない」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、中小企業が「くるみん認定」「えるぼし認定」を取得するための条件や具体的な取り組みについて、社会保険労務士の視点からわかりやすく解説します。
「くるみん認定」とは?
くるみん認定とは、企業が子育て支援に積極的に取り組んでいることを国が認定する制度です。
この制度は次世代育成支援対策推進法に基づいて運用されています。
企業が「一般事業主行動計画」を策定し、その目標を達成すると、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。
「えるぼし認定」とは?
えるぼし認定は、女性の活躍推進に積極的な企業を認定する制度です。
根拠となる法律は女性活躍推進法です。
企業の女性活躍の状況に応じて、以下の3段階で認定されます。
- えるぼし(1段階)
- えるぼし(2段階)
- えるぼし(3段階)
評価項目の達成状況によって段階が決まります。
中小企業が認定を取得するメリット
① 採用力の向上
現在、多くの求職者が「働きやすい職場」を重視しています。
くるみんやえるぼし認定を取得している企業は、
- 子育て支援に積極的
- 女性が働きやすい
といったイメージを持たれやすく、採用活動で有利になります。
② 企業イメージの向上
認定企業は、厚生労働省のホームページや求人情報などで紹介されることがあります。
社会的評価が高まり、
- 取引先
- 金融機関
- 求職者
からの信頼向上につながります。
③ 公共調達で加点される場合がある
自治体や国の入札において、くるみん・えるぼし認定企業に対して評価加点が行われるケースがあります。
中小企業にとっては大きなメリットです。
くるみん認定を受けるための主な条件
くるみん認定を取得するには、主に次の条件を満たす必要があります。
① 一般事業主行動計画を策定
まず、企業は
- 目標
- 取り組み内容
- 実施期間
を定めた「一般事業主行動計画」を作成します。
この計画は、都道府県労働局へ届け出る必要があります。
② 男性の育児休業取得
男性の育児休業取得実績があることも重要な条件です。
近年は「男性育休」の取得率が重視されています。
③ 女性の継続就業
出産後も女性が継続して働ける環境づくりが求められます。
④ 長時間労働の抑制
働き方改革の観点から、
- 残業時間の管理
- 労働時間の適正化
も評価対象になります。
えるぼし認定の評価項目
えるぼし認定では、次の5つの項目が評価されます。
- 採用
- 継続就業
- 労働時間
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
これらの達成状況によって認定段階が決まります。
中小企業が取り組むべき具体策
認定取得のためには、次のような取り組みが有効です。
① 育児休業制度の整備
- 育児休業制度の周知
- 男性育休の取得促進
などが重要です。
② 柔軟な働き方の導入
例えば
- テレワーク
- 時差出勤
- 短時間勤務
などです。
これにより、育児と仕事の両立がしやすくなります。
③ 女性管理職の育成
えるぼし認定では、女性管理職の割合も重要な指標です。
研修やキャリア支援などの取り組みが求められます。
④ 長時間労働の削減
- 業務効率化
- 残業管理
- 有給休暇取得促進
なども重要です。
中小企業でも取得は可能
「くるみん・えるぼし認定は大企業向けでは?」と思われがちですが、実際には中小企業でも取得している企業は多数あります。
むしろ、
- 社員数が少ない
- 制度改革が柔軟
という点で、中小企業の方が取り組みやすい場合もあります。
社会保険労務士のサポート
くるみん・えるぼし認定の取得には、
- 行動計画の策定
- 労務制度の整備
- データ分析
- 労働時間管理
など、専門的な知識が必要になります。
社会保険労務士に相談することで、
- 認定取得のための制度設計
- 行動計画の作成支援
- 労務管理の改善
などのサポートを受けることができます。
まとめ
くるみん認定とえるぼし認定は、企業の子育て支援や女性活躍の取り組みを国が評価する制度です。
認定を取得することで、
- 採用力向上
- 企業ブランド強化
- 公共調達での評価
など、多くのメリットがあります。
中小企業であっても、適切な取り組みを行えば認定取得は十分可能です。働きやすい職場環境づくりは、企業の成長にもつながります。
自社の労務管理を見直しながら、くるみん・えるぼし認定の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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