「パート」と「アルバイト」の違いは? ~雇用形態・社会保険・給与・法律まで徹底解説【前編】

この記事でわかること

  • パートとアルバイトの本当の違い
  • 法律上の違いはあるのか
  • 給与や待遇は違うのか
  • 社会保険や有給休暇はどうなるのか
  • 求人票を見る際のポイント

「パート」と「アルバイト」は何が違う?

スーパーでは「パート募集」、コンビニでは「アルバイト募集」、飲食店では「パート・アルバイト募集」と書かれていることがあります。

「パートとアルバイトは何が違うの?」

このような疑問を持つ方は非常に多いでしょう。

実は、結論から言うと、法律上はほとんど違いはありません。

パートもアルバイトも、法律ではどちらも「短時間労働者(パートタイム労働者)」や「有期雇用労働者」として扱われることが多く、名称だけで法律上の扱いが変わることはありません

つまり、「パート」という名称だから待遇が悪い、「アルバイト」だから社会保険に入れない、といったことはありません。


パートとアルバイトの違いは会社が決めている

法律には、

  • パートとはこういう人
  • アルバイトとはこういう人

という定義はありません。

企業が独自に呼び方を決めています。

例えば、

呼び方主な対象
パート主婦・主夫・シニアなど
アルバイト学生・フリーターなど

このように区別している企業が多くあります。

しかし、

  • 学生をパートと呼ぶ会社
  • 主婦をアルバイトと呼ぶ会社

もあります。

つまり、

名称は会社ごとの慣習に過ぎません。


法律ではどう扱われる?

日本には短時間・有期雇用労働法という法律があります。

この法律では、

  • 正社員
  • パート
  • アルバイト
  • 契約社員

などの間で、不合理な待遇差を設けないことが求められています。

つまり、

「パートだから賞与はゼロ」
「アルバイトだから手当は一切なし」

というような待遇は、仕事内容や責任などを比較して合理的な理由がなければ認められません。


パートとアルバイトの仕事内容は違う?

こちらも会社によります。

例えばスーパーでは、

パート

  • レジ
  • 品出し
  • 発注
  • 売場管理
  • パートリーダー

アルバイト

  • レジ
  • 品出し
  • 清掃

というように、パートの方が長期間勤務することを前提に、責任のある仕事を任せる会社もあります。

一方、

コンビニや飲食店では、

パートもアルバイトも仕事内容が全く同じことも珍しくありません。


勤務時間に違いはある?

一般的には、

パートアルバイト
長時間勤務が多い短時間勤務が多い
昼間勤務が多い夜・土日勤務が多い

という傾向があります。

例えば、

パート

  • 9:00~15:00
  • 9:00~16:00
  • 週4~5日

アルバイト

  • 18:00~22:00
  • 土日のみ
  • 週2日程度

このような勤務形態が多く見られます。

ただし、

これも会社によって異なります。


時給はどちらが高い?

必ずしも違いはありません。

例えば、

同じコンビニで、

  • パート 時給1,100円
  • アルバイト 時給1,100円

というケースは非常に多くあります。

一方、

経験者や長期勤務を前提としたパートは、

  • 時給1,250円
  • リーダー手当あり

など待遇が良いこともあります。

つまり、

時給は名称ではなく仕事内容や経験で決まると考えた方がよいでしょう。


有給休暇はもらえる?

「アルバイトだから有給はない」

「パートだから休めない」

これは間違いです。

パート・アルバイトでも一定の条件を満たせば、有給休暇を取得する権利があります

条件は、

  • 雇入れから6か月以上勤務
  • 出勤率8割以上

です。

勤務日数に応じて、

10日、7日、5日など付与日数が決まります。


有給休暇付与日数(例)

週の所定労働日数年次有給休暇(6か月後)
5日10日
4日7日
3日5日
2日3日
1日1日

パート・アルバイトでも残業代は支払われる

これも勘違いが多いポイントです。

パート・アルバイトにも残業代を支払う義務があります

例えば、

  • 1日8時間超
  • 週40時間超

になれば、

通常の賃金ではなく、

時間外割増賃金の対象となります。

「アルバイトだから残業代は出ない」ということはありません。


パート・アルバイトでも労災保険の対象

勤務中のケガや通勤中の事故は、

雇用形態に関係なく労災保険の対象となります。

つまり、

  • パート
  • アルバイト
  • 学生アルバイト

であっても、

仕事中の事故は補償されます。

雇用形態ではなく、「労働者」であることが労災保険の適用条件です


まとめ(前編)

この記事では、「パートとアルバイトの違い」の基本について解説しました。

ポイントを整理すると、

  • 法律上、パートとアルバイトに明確な違いはない
  • 呼び方は企業ごとの慣習による
  • 時給や仕事内容は会社によって異なる
  • 有給休暇や残業代はパート・アルバイトにも適用される
  • 労災保険も雇用形態に関係なく対象となる

次回の【後編】では、社会保険への加入条件、税金、扶養との関係、求人票の見方、よくある質問(Q&A)など、実務で役立つ情報を詳しく解説します。


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