通勤中に事故にあってケガをした場合、「通勤災害」として労働者災害補償保険(労災保険)の補償を受けられます。これは、仕事への行き帰りの中で発生した事故に対する補償制度です。
負傷・疾病に関する給付
療養給付
通勤中のけがや病気の治療にかかる医療費が全額支給されます。治療が必要な限り、医療機関での治療費やリハビリの費用もカバーされます。
一部負担金
原則、療養給付を受ける労働者から、一日200円を一部負担金として徴収されます。
休業給付
治療により仕事ができず、賃金が支払われない期間については、休業4日目から賃金の60%が補償されます。また、特別支給金としてさらに20%が上乗せされ、合計で80%が支給されます。
なお、休業の初日から3日目までの期間は、法律による補償はありません。
傷病年金
治療を続けても1年6ヶ月経過しても治らず、仕事復帰が困難な場合は、傷病等級に応じて年金が支給されます。
障害に関する給付
障害給付
通勤中のけがや病気が原因で後遺障害が残った場合、障害の程度に応じて障害等級に基づいた一時金または年金が支給されます。障害等級は1級から14級まであり、重度(1級から7級)の場合は年金形式で、軽度(8級から14級)の場合は一時金として支給されます。
介護に関する給付
介護給付
重度の後遺障害により介護が必要となった場合は、介護費用も支給されます。
死亡に関する給付
遺族給付
通勤中の事故によって労働者が死亡した場合、遺族には遺族年金が支給されます。
葬祭給付
葬儀費用も一定額補償されます。
通勤災害の条件
通勤災害として認定されるには、通勤が「合理的な経路」で行われていることが必要です。通勤経路を大きく逸脱していたり、私用での寄り道などがある場合は、労災の対象とならないことがあります。
まとめ
通勤中に事故にあった場合、速やかに勤務先へ報告し、必要な手続きを開始してください。
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