退職金には「一時金」「年金」の2種類があるが、受け取り方による違いとは
退職金を受け取る際に、「一時金」と「年金」のどちらかを選べる場合があります。それぞれの受け取り方には、税制の違いやライフプランへの影響などの特徴があります。
目次
一時金として受け取る場合
退職時にまとまった金額を一括で受け取る方法です。
特徴
- メリット
- 退職後すぐに資金を使えるため、住宅ローンの返済や老後資金の一括準備に活用できる。
- 退職所得控除が適用され、税負担が軽減される。
- 退職後に収入が大幅に減る場合、税率が低く抑えられる可能性が高い。
- デメリット
- 一度に受け取るため、計画的に使わないと老後資金が枯渇するリスクがある。
- 運用する場合、自分で管理や投資先を選ぶ必要がある。
税制面
- 退職所得控除
勤続年数に応じて控除が適用されるため、多くの場合、所得税の負担は軽い。- 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円が下限)
- 勤続20年超:70万円 × (勤続年数 - 20年) + 800万円
- 課税方法
退職金は「分離課税」として扱われ、退職時に一括で源泉徴収されるため、他の収入に影響を与えない。
年金として受け取る場合
退職金を分割して、年金形式で定期的に受け取る方法です。
特徴
- メリット
- 一度に大金を受け取るリスクを避け、老後の生活費として計画的に利用できる。
- 長寿リスク(老後資金が尽きるリスク)を軽減できる。
- 公的年金と併せて一定額の収入を確保できる。
- デメリット
- 年金として受け取る金額には公的年金等控除が適用されるが、一時金と比べると税負担が高くなることがある。
- 受け取り途中で死亡した場合、全額を受け取れないケースがある。
- 将来のインフレに対応しづらい。
税制面
- 公的年金等控除
年金として受け取る場合、受け取った金額が雑所得として課税され、公的年金等控除が適用される。- 例:65歳以上の場合、公的年金等控除額は110万円まで非課税(収入金額に応じて控除額が変動)。
- 課税方法
年金として受け取る場合、毎年の収入と合算されるため、他の所得が多いと税率が高くなる可能性がある。
選択のポイント
一時金を選ぶべき場合
- まとまった資金が必要(住宅ローン返済、教育費、老後資金の準備)。
- 税負担を軽減したい(勤続年数が長いほど有利)。
- 自分で資産運用や管理ができる自信がある。
年金を選ぶべき場合
- 毎年安定した収入が欲しい。
- 長寿リスクに備えたい。
- 他に大きな資産があり、運用リスクを避けたい。
併用を検討
- 一部を一時金で受け取り、残りを年金として受け取る「併用」も可能な場合があります。この方法であれば、まとまった資金確保と安定収入の両立が図れます。
まとめ
退職金の受け取り方は、税金の優遇措置やライフプランに大きく影響します。一時金と年金のどちらが有利かは、以下の点を考慮して選ぶことが重要です:
- 勤続年数や退職金の金額
- 現在の収入状況や退職後のライフプラン
- 税負担や資産運用に関する知識・意向
迷った場合は、当事務所(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー)や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

