贈与・遺贈・相続の違いは何ですか?
贈与、遺贈、相続は、財産の移転方法として日本の民法で定められている手段ですが、それぞれの性質や条件が異なります。
贈与
定義
- 贈与とは、生きている人(贈与者)が受け取る人(受贈者)がお互いに贈与と認識している状態で、贈与者の財産を無償で受贈者に与える契約です。
特徴
- 生前に行う財産移転: 生きている間に財産を渡したい場合に利用されます。
- 契約形式: 口頭でも成立しますが、トラブル防止のために書面で行う「書面贈与」が推奨されます。
- 贈与税がかかる: 一定額を超える贈与には受贈者が贈与税を支払います(基礎控除110万円/年)。
具体例
- 子や孫に現金や土地を贈与する。孫に財産を渡したい場合、子どもが存命のときは贈与か遺贈で受け取る形になります。
- 教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与制度を利用する。
遺贈
定義
- 遺贈は、本人の意志(遺言書)により、死亡後に自分の財産を他の人に無償で与えることです。
- 受け取る方が、本人の生前に遺贈されることを知らない場合もあり、そのため、本人が亡くなったあとであれば、遺贈の放棄も可能です。
特徴
- 遺言による指定が必要: 遺言書がないと遺贈は成立しません。
- 相続人以外も対象: 遺贈では、相続人以外の人や法人(例: 知人、団体、NPOなど)にも財産を渡すことができます。
- 遺留分の影響: 遺贈が相続人の「遺留分」を侵害する場合、相続人はその分の請求が可能です。
子どもがいる状態で孫に遺産を渡したいときは、遺贈の形を利用する必要があります。(孫は子どもが存命だと相続できないため)
具体例
- 自宅を友人に遺贈する。
- 遺産の一部を慈善団体に遺贈する。
相続
定義
- 相続は、法律の定めに基づき、死亡した人(被相続人)の財産や負債がその相続人に移転することです。
特徴
- 法律による分配: 遺言がない場合、法定相続分に従って財産が分割されます。
- 相続税がかかる場合もある: 一定額を超える財産には、相続税が課されます。
- 負債も相続対象: 財産だけでなく、借金などの負債も相続されます(限定承認や相続放棄が可能)。
具体例
- 被相続人の預貯金や不動産を相続する。
- 借金を相続した場合、相続放棄する。
まとめ
| 項目 | 贈与 | 遺贈 | 相続 |
|---|---|---|---|
| 発生時期 | 生前 | 死亡後 | 死亡後 |
| 移転方法 | 契約 | 遺言書 | 法律・遺言 |
| 対象者 | 任意の人 | 遺言で指定された人(相続人以外も可) | 法定相続人 |
| 課税 | 贈与税(基礎控除110万円/年) | 相続税(遺産に含む) | 相続税 |
贈与、遺贈、相続の選択は、税制や受取人との関係性、財産の種類によって適切なものを選ぶ必要があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、専門家に相談しながら計画的に進めることが重要です。

