高齢者でも加入できる保険と高齢者が加入すべき保険は?

年齢を重ねるにつれ、「今からでも保険に入れるのか」「高齢になっても必要な保険はあるのか」といった相談を多くいただきます。
実際、医療技術の進歩や平均寿命の延びにより、70代・80代でも新たに保険を検討する方が増えています

ただし、若い世代とは異なり、年齢や健康状態によって加入できる保険が限られることもあります。
今回は、ファイナンシャルプランナーの立場から、

  • 高齢者でも加入できる保険
  • 高齢者が加入すべき(=入っておくと安心な)保険
    をわかりやすく解説します。

1.高齢者でも加入できる保険とは?

まず、「高齢者でも加入できる保険」は、近年かなり選択肢が広がっています。
生命保険会社・損害保険会社の多くが、「シニア層専用の保険」や「持病があっても入れる保険」を販売しています。

(1)医療保険(持病があっても加入可能なタイプ)

一般的な医療保険は、健康状態の告知が必要で、一定の病歴があると加入を断られるケースがあります。
しかし最近は、次のような「引受基準緩和型」や「無選択型医療保険」が登場しています。

  • 引受基準緩和型医療保険
    告知項目が少なく、糖尿病・高血圧・心疾患などの持病があっても加入しやすい。
    ただし、保険料は通常の医療保険よりやや高めです。
  • 無選択型医療保険
    健康状態に関係なく加入できるタイプ。
    加入しやすい反面、保険料は高く、給付金が制限されることもあります。

加入年齢の上限も70代後半~80歳までと広がっており、「今からでも入れる医療保険」は珍しくありません。

(2)死亡保険(葬儀費用や遺族への備え)

高齢者が加入を希望する代表的な理由が「葬儀費用の準備」や「家族へのわずかな残し」です。
その場合に検討できるのが、少額死亡保険(終身保険タイプ)です。

  • 加入年齢:80歳前後まで(保険会社による)
  • 保険金額:50万円~300万円程度
  • 保険料:一生涯払うか、一定期間で払い終えるか選択可能

また、持病がある方でも加入できる引受基準緩和型終身保険も人気です。
「無理なく払える範囲で、葬儀費用を残したい」というニーズに対応しています。

(3)介護保険・認知症保険

介護リスクの高まる高齢期には、介護状態になったときの一時金・年金が支給される保険が選ばれています。

特に注目されているのが「認知症保険」です。
認知症と診断された時点で一時金が支払われ、介護施設や在宅介護の初期費用に充てることができます。

保険料は年齢によって変わりますが、70代前半までなら加入できる商品もあります。
介護費用を預貯金だけでまかなうのは難しいという方には、有効な備えになります。

(4)傷害保険(シニア向けのケガ補償)

高齢になると、転倒・骨折など日常生活のケガが増加します。
そんなときに役立つのが、シニア向け傷害保険です。

特徴は以下の通りです:

  • 自宅での転倒・外出中のケガ・骨折などを補償
  • 入院・通院・手術費用もサポート
  • 持病があっても加入できることが多い

特に一人暮らしの高齢者にとって、“もしもの転倒”に備える保険は実用的です。

2.高齢者が「加入すべき」保険とは?

では、実際に高齢者が入るべき保険はどのようなものでしょうか。
年齢・家族構成・資産状況によっても異なりますが、以下の3つがポイントです。

(1)「医療費の自己負担」に備える保険

高齢者は公的医療保険によって自己負担割合が軽減されていますが、
それでも入院や手術が続くと、差額ベッド代・食事代・通院費などの自己負担が増えます。

そのため、入院給付金がもらえる医療保険を最低限備えておくと安心です。

特におすすめなのは、

  • 入院・手術の支給条件がシンプルな商品
  • 既往症があっても加入できる緩和型保険
  • 保険料が一生涯変わらない終身タイプ

無理に大きな保障を選ばず、「入院1日あたり5,000円程度」で十分なケースが多いです。

(2)「介護費用」に備える保険

厚生労働省によると、介護が必要になる期間の平均は約5年
特に認知症を原因とする長期介護が増えています。

介護費用は、

  • 在宅介護:月平均 約8万円
  • 施設介護:月平均 約15〜20万円
    といわれており、年金だけでは負担が重くなりがちです。

そこで、

  • 公的介護保険の給付を補う「民間介護保険」
  • 認知症発症時に一時金が支払われる「認知症保険」
    の活用を検討する価値があります。

これらは、子どもや家族への経済的・介護的負担を軽減する保険として有効です。

(3)「葬儀・相続の備え」としての死亡保険

高齢者世代で最も多い保険加入目的が「葬儀費用の準備」です。

葬儀やお墓の費用は平均で100万円~200万円程度
この金額を預貯金からすぐに引き出せるとは限らないため、少額の終身保険が役立ちます。

また、保険金は「受取人固有の財産」として、相続開始後すぐに支払われるため、
葬儀費用の支払いにもスムーズに対応できます。

さらに、
「相続トラブルを防ぐ」「特定の家族に感謝の気持ちを残す」など、
生前の意思を形にする手段としても活用できます。

3.高齢者が保険に入る前に確認すべき3つのポイント

高齢者が新しく保険に加入する際は、次の3つを必ずチェックしましょう。

(1)すでにある保障を確認する

まず、公的制度や既存の保険との重複を避けることが大切です。
高齢者はすでに「公的医療保険」「介護保険」「年金」などの保障を受けているため、
民間保険は“足りない部分を補う”位置づけが適切です。

(2)保険料の負担が老後資金を圧迫しないか

年金収入が中心となる老後では、毎月の固定費をいかに抑えるかが重要です。
保険料が家計を圧迫しては本末転倒です。

目安としては、

  • 月々の保険料は年金収入の5%以内
  • 「払込済みタイプ」や「一時払いタイプ」も検討

無理のない範囲で、必要な保障を絞り込みましょう。

(3)終身型か定期型かを確認する

高齢者の場合、**定期保険(一定期間のみ保障)**よりも、
「一生涯保障される終身保険」のほうが合理的です。

長寿化社会において、「いつまで生きるか分からない」という不安を解消できるため、
保険料が多少高くても終身型を選ぶケースが増えています。

4.まとめ~保険は「年齢」よりも「目的」で選ぶ時代へ

かつては「高齢になったら保険は不要」といわれた時代もありました。
しかし、今は人生100年時代
長生きするリスク、医療・介護費用の増加、相続・終活への備えなど、
高齢期こそ保険の果たす役割が大きくなっています。

高齢者が保険を検討する際は、

  • 何のために加入するのか(目的)
  • どんな保障が必要か(内容)
  • 無理のない保険料か(負担)
    を冷静に見極めることが大切です。

そして、複数の保険を比較し、自分に最適な保障を選ぶには、
ファイナンシャルプランナー(FP)など専門家への相談が効果的です。

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