「障害年金をもらいながら働いても大丈夫?」
「収入が増えると年金は止まる?」
「パートや在宅ワークなら問題ない?」
障害年金を受給している方やそのご家族から、こうしたご相談は非常に多く寄せられます。結論から言うと、働いて収入があるからといって、直ちに障害年金が減額・停止されるわけではありません。
本記事では、社会保険労務士の立場から、障害年金と就労の関係、減額・支給停止の判断基準、注意点について詳しく解説します。
1.障害年金とは?
障害年金は、病気やけがにより生活や仕事に制限がある場合に支給される公的年金です。
主に以下の2種類があります。
- 国民年金法 に基づく「障害基礎年金」
- 厚生年金保険法 に基づく「障害厚生年金」
いずれも「収入」ではなく、障害の状態(等級)によって支給の可否が判断されます。
2.働くと年金は減額されるの?
■ 原則:収入だけで自動的に減額されることはない
障害年金は「所得制限型の給付」ではありません。
そのため、アルバイトや正社員として働いて収入があっても、直ちに減額される制度ではありません。
重要なのは、
「どの程度の就労ができているか」=「障害の程度が変化したか」
という点です。
3.減額・支給停止が起こるケース
障害年金が見直される主な場面は、**更新(障害状態確認届)**のときです。
更新時に、
- 就労内容
- 勤務時間
- 仕事内容
- 職場での配慮状況
- 収入状況
などが総合的に審査されます。
■ 等級が軽くなったと判断されると…
- 2級 → 3級へ変更
- 3級 → 不支給
- 支給停止
となる可能性があります。
つまり、「収入が多いから減額」ではなく、就労実態から障害の程度が軽減したと判断される場合に変更されるのです。
4.フルタイムで働いていると不利?
必ずしもそうではありません。
例えば、
- 障害者雇用枠で勤務
- 業務内容が軽作業中心
- 周囲のサポートが不可欠
- 体調により欠勤が多い
などの場合は、障害状態が継続していると判断される可能性があります。
一方で、
- 健常者と同様の業務
- 管理職として勤務
- 高度な責任業務
の場合は、等級見直しの可能性が高まります。
5.パート・短時間勤務なら大丈夫?
短時間勤務だから安全、という単純なものではありません。
審査では、
- 勤務日数
- 労働時間
- 業務の負担
- 職場の配慮
が総合的に判断されます。
6.精神障害の場合の注意点
精神疾患による障害年金では、就労状況が特に重視されます。
- 就労継続支援A型・B型
- 一般就労
- 在宅ワーク
など、形態ごとの状況が確認されます。
症状の波や服薬状況も重要です。
7.収入が一定額を超えると停止する制度はある?
障害年金そのものには原則所得制限はありません。
ただし、
- 特別障害者手当
- 障害児福祉手当
などは所得制限があります。
混同しないよう注意が必要です。
8.更新(有期認定)とは?
障害年金は「永久認定」と「有期認定」があります。
有期認定の場合、
- 1年~5年ごとに診断書提出
- 就労状況報告
が求められます。
ここで状態が改善と判断されると、支給停止になる可能性があります。
9.働きながら受給する際のポイント
① 医師と情報共有
就労状況を主治医に正確に伝える。
② 無理をしない
一時的に無理をして働くと、更新時に誤解を招くことも。
③ 診断書内容を確認
実態に合っているか確認が重要。
10.よくある誤解
❌ 年収〇〇万円を超えると停止
❌ パートなら問題ない
❌ 障害者手帳と同じ基準
❌ 就職したら必ず停止
制度の誤解で不安になる方が多いのが現状です。
11.社会保険労務士に相談すべきケース
- 更新が近い
- 就職予定がある
- 等級変更が不安
- 支給停止通知が届いた
不服がある場合は審査請求も可能です。
12.働くことは悪いことではない
障害年金の目的は、
障害があっても安心して生活できること
です。
就労は自立支援の重要な要素であり、制度は「働いたら即停止」という設計ではありません。
まとめ
障害年金の受給者が働いて収入があっても、
✔ 直ちに減額・停止されるわけではない
✔ 収入額のみで判断されない
✔ 障害の状態が総合的に審査される
というのが正しい理解です。
重要なのは、
- 就労実態の正確な把握
- 医師との連携
- 更新手続きの適切対応
です。
当事務所では、
- 障害年金の新規請求
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