~子育て世代の就労への影響は?企業が押さえるべき労務ポイント~
2026年4月から、新たに「こども誰でも通園制度」が本格的に施行されます。
この制度は、保護者の就労状況にかかわらず、一定時間、保育施設等を利用できる仕組みとして注目されています。
「専業主婦(主夫)でも利用できるの?」
「短時間でも預けられるなら、働き方はどう変わる?」
「企業の人事・労務管理に影響はあるのか?」
こうした疑問を持つ事業主様、人事労務担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、社会保険労務士の立場から、こども誰でも通園制度の概要、導入の背景、子育て世代の就労への影響、企業が備えるべきポイントについて詳しく解説します。
こども誰でも通園制度とは?
制度の概要
こども誰でも通園制度とは、保護者の就労要件を問わず、一定時間、子どもを保育施設等に預けることができる制度です。
対象となるのは主に、
- 0歳6か月~満3歳未満の子ども
- 保育所・認定こども園・小規模保育施設など
で、月一定時間までの利用が想定されています。
従来の保育制度では、
- 「就労していること」
- 「就労時間が一定以上あること」
が利用要件となるケースが多く、「働きたくても預け先がない」という問題がありました。
この制度は、そうした課題を解消するための新たな仕組みです。
制度創設の背景|なぜ「誰でも通園」なのか
少子化と就労の壁
日本では、
- 出生数の減少
- 子育てによるキャリア中断
- 出産・育児を機に離職する女性の多さ
といった問題が長年指摘されてきました。
特に、
- 「少しだけ働きたい」
- 「段階的に職場復帰したい」
と考える子育て世代にとって、保育の利用要件が大きなハードルとなっていました。
国の狙い
こども誰でも通園制度には、以下のような政策目的があります。
- 子どもの育ち・社会性の確保
- 保護者の孤立防止
- 子育て期の柔軟な就労支援
- 女性・子育て世代の労働参加促進
単なる保育制度ではなく、労働政策・少子化対策と一体の制度である点が重要です。
【2026年4月施行】制度開始のスケジュール
- 施行日:2026年4月1日
- 全国で順次実施(自治体により運用差あり)
2024~2025年にかけてモデル事業が実施され、その検証結果を踏まえて本格導入されます。
企業側も、2026年4月を見据えた働き方の見直しが求められます。
子育て世代の就労への影響
① 「短時間就労」「スモールスタート」が増える
こども誰でも通園制度により、
- 週1~2日だけ働く
- 1日数時間から仕事を再開する
といった段階的な就労がしやすくなります。
これは、
- ブランクのある求職者
- 育児中のパート希望者
にとって大きな追い風です。
② 専業主婦(主夫)層の労働参加が進む可能性
「フルタイムで働くのは難しいが、少しなら働ける」
という層が労働市場に戻ることで、
- 人手不足対策
- 多様な人材確保
につながる可能性があります。
③ 働き方の多様化がさらに進む
制度の普及により、
- 短時間正社員
- フレックスタイム
- シフト制・スポット勤務
など、柔軟な働き方を用意できる企業が選ばれる時代が加速すると考えられます。
企業・人事労務への影響は?
雇用形態・労働時間管理の見直し
短時間就労者が増えることで、
- 労働時間管理
- 社会保険加入要件の判断
- 扶養の範囲内就労への対応
がより重要になります。
特に、
- 週20時間未満
- 月額賃金8.8万円未満
などの要件を巡る質問は、今後さらに増えるでしょう。
従業員からの相談・問い合わせ増加
2026年4月以降、以下のような相談が想定されます。
- 「この制度を使って働きたい」
- 「勤務時間を減らしたい」
- 「パートから復職できるか」
企業側は、制度を正しく理解したうえでの説明体制を整える必要があります。
企業が今から準備すべきポイント
① 柔軟な働き方の整備
- 短時間勤務制度
- シフトの細分化
- 在宅勤務との併用
など、制度を活かせる働き方を検討しましょう。
② 就業規則・社内制度の確認
- 育児関連規程
- 勤務時間の定義
- 雇用区分の整理
こども誰でも通園制度に対応できているか、一度見直すことをおすすめします。
③ 管理職・現場への周知
制度を知らないことで、
- 不適切な対応
- トラブル
- 不満の蓄積
につながるケースもあります。
管理職向けの説明も重要です。
社会保険労務士に相談するメリット
こども誰でも通園制度の開始は、
- 保育制度の変更
- 就労ニーズの変化
- 労務管理の複雑化
を同時にもたらします。
社会保険労務士に相談することで、
- 制度改正を踏まえた労務管理の見直し
- 就業規則の整備
- 従業員対応のアドバイス
など、実務に即したサポートが可能です。
まとめ|「制度を活かせる企業」が選ばれる時代へ
こども誰でも通園制度(2026年4月施行)は、子育て世代の就労環境を大きく変える可能性を持つ制度です。
- 子育てと仕事の両立がしやすくなる
- 働き方の選択肢が広がる
- 企業の人材確保にも影響する
単なる「保育制度の話」ではなく、人事・労務戦略に直結するテーマとして捉えることが重要です。
当事務所では、子育て支援制度を踏まえた労務管理、就業規則整備、制度改正対応について社会保険労務士が丁寧にサポートしております。
2026年4月に向けた準備として、ぜひ一度ご相談ください。

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